読みもの ・
シリーズの一作目から読みたい、長く付き合える小説5選
一冊目が気に入れば、そのあと何冊も楽しめる。シリーズの始まりにあたる本を五冊選びました。
面白い本に当たったとき、続きがあると分かるとそれだけでうれしくなります。今回はシリーズの一冊目にあたる本だけを集めました。二冊目から読んでも追える作品もありますが、人物どうしの関係は最初から追ったほうが楽しめます。ミステリ、ホラー、中華風の後宮もの、と幅を持たせています。

1『46番目の密室』
犯罪社会学者の火村英生と、作家の有栖川有栖が組むシリーズの最初の事件です。密室トリックが得意な推理作家が、内側から鍵のかかった部屋で見つかる。手がかりの出し方がまっすぐで、本格ミステリの手触りを確かめるのにちょうどいい。二人の軽口の応酬は、巻を重ねるほど味が出てきます。

2『後宮の烏』
後宮の奥で、夜伽をしない妃として暮らす寿雪が主人公。皇帝の高峻が持ち込む頼みごとをきっかけに、閉じていた彼女の周りに人が増えていきます。一巻には四つの話が入っていて、一話ずつ謎が片づく。シリーズは全七巻なので、秋から冬にかけて読み進めるのにちょうどいい長さです。

3『ぼぎわんが、来る』
霊能者の比嘉姉妹が出てくるシリーズの始まり。家族を守ろうとする夫の語りから始まり、章が替わるごとに同じ家の見え方が変わっていきます。怪異との対決は後半に大きく盛り上がるので、ホラーを読み慣れていない人でも最後まで引っぱられるはずです。

4『氷菓』
何ごとにも省エネで臨みたい高校生の折木奉太郎が、好奇心の強い同級生に引っぱられて謎を解く、古典部シリーズの出発点です。人が死ぬ事件は起きず、手がかりは昔の文集の言葉づかい。分量も軽いので、シリーズものに手を出すかどうか迷っている人の最初の一冊に向いています。

5『図書館戦争』
最後は、一冊目で世界の設定を飲み込めば、あとは止まらなくなる一冊。本の検閲に対抗するため、図書館が武装した部隊を持つ日本が舞台です。新人隊員の郁と、厳しい教官の堂上の言い合いが楽しく、それでいて「読む本を誰が決めるのか」という問いは重い。本編は全四巻です。
おわりに
一冊目を読んで合わなければ、そこでやめてもかまいません。合えば、しばらく次に読む本に迷わずに済みます。