あらすじ
容疑者は別荘に居合わせた人々に限られ、話は屋内で進みます。火村は現場の状態を細かく確かめ、可能性を一つずつ消していく。二人の距離感と会話が、シリーズを通しての読みどころになっています。
読みどころ
王道の密室ものを、まっすぐに書ききった一作です。仕掛けは派手ではありませんが、手がかりの出し方が公平で、解決の場面が気持ちよく決まります。
こんな人に
おすすめしたいのは。密室トリックそのものを楽しみたい人。
火村英生シリーズは『ダリの繭』『スウェーデン館の謎』と続きます。
向かないかもしれない人
話は別荘の屋内だけで進み、派手な仕掛けで驚かせるより手がかりを公平に並べる作りです。大がかりなトリックや場面の大きな動きを求める人には、地味に映る時間が長く続きます。
比べ読み
『水車館の殺人』綾辻行人
同じ館の中で事件が起きても、組み立ては別物です。『46番目の密室』は別荘に居合わせた人々に容疑者を絞り、火村が可能性を一つずつ潰していく一本道。『水車館の殺人』は一年前と現在を行き来させ、二つの時間の継ぎ目に仕掛けを置きます。素直な謎解きを先に読むと、綾辻作品の構成の凝り方が際立ちます。
『密室殺人ゲーム王手飛車取り』歌野晶午
密室を扱う点は共通でも、謎を出す側の顔つきがまるで違います。こちらは、密室を題材にし続けた作家が己の別荘で遺体となり、火村が解きにかかる正統派。『密室殺人ゲーム王手飛車取り』は、ネットで知り合った五人が本物の殺人を問題にして出し合う設定で、悪趣味さを面白がれるかが分かれ目。王道を先に、変化球は後に。








