あらすじ
古典部が作る文集「氷菓」には、33年前の号があります。当時の学校で何が起きたのか、残された文章と言葉の選び方だけを手がかりに、四人が答えに近づいていく。人が死なない代わりに、言葉の意味を詰める作業が中心になります。
読みどころ
推理の材料が、事件ではなく文章や言い回しである点がこのシリーズの特徴です。高校生どうしの距離の取り方も細かく、推理小説をほとんど読んだことのない人の入口になります。
こんな人に
おすすめしたいのは。人が死なないミステリを探している人。
シリーズは『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番』と続きます。2012年にアニメ化。
向かないかもしれない人
殺人も派手な事件もなく、推理の材料は古い文集の言葉の選び方です。スリルのある事件や、緊迫した追跡を読みたい人には地味に映る場合があります。
比べ読み
『体育館の殺人』青崎有吾
どちらも学園が舞台の本格寄りの謎解きです。『体育館の殺人』は殺人事件を物証の解釈だけで絞り込む作りで、こちらは人が死なず、文章や言い回しを手がかりに33年前を探る。死体の出てこない謎から入りたいなら氷菓、厳密な推理を楽しみたいなら体育館の殺人へ。
『早朝始発の殺風景』青崎有吾
日常の謎を会話で解く点で並べられます。『早朝始発の殺風景』は二人きりの雑談の中で推理が完結する短い連作で、一編ずつ読める。こちらは古典部の四人が一冊かけて一つの謎に近づく形。細切れの時間に読むなら早朝始発、腰を据えるなら氷菓が合います。














