あらすじ
主人公の笠原郁は、高校時代に本を取り上げられそうになったところを、一人の図書隊員に助けられました。その「王子様」に憧れて図書隊に入った郁ですが、配属先で待っていたのは、口うるさく厳しい教官・堂上篤。体力だけは自信のある郁が、失敗を重ねながら防衛の最前線に立つようになっていきます。
読みどころ
銃撃戦とラブコメと社会派が、ひとつの本に同居しています。郁と堂上の言い合いは声を出して笑えるほどテンポがいい。その一方で、「誰が読んでいい本を決めるのか」という問いは現実の話として重い。シリーズは全4巻と別冊があり、1巻で気に入ったら最後まで止まらないはずです。
こんな人に
おすすめしたいのは。恋愛ものも、アクションも、どちらも読みたい人。
同じ作者の『阪急電車』とはまるで違う作風ですが、登場人物の掛け合いの楽しさは共通しています。
向かないかもしれない人
銃撃戦とラブコメが同居する作りで、恋愛の比重がかなり大きい。検閲の問題だけを硬派に追う社会派を期待する人や、甘いやりとりが得意でない人には合いにくい作品です。
比べ読み
『鴨川ホルモー』万城目学
勢いのある掛け合いで読ませる点は近い二冊です。『鴨川ホルモー』は京都の大学生が小さな鬼を操る、くだらない競技の話。こちらは銃撃戦と恋愛に、誰が読んでいい本を決めるのかという重い問いが加わる。笑いだけを浴びたい日はホルモー、手応えも欲しい日は図書館戦争を。
『武道館』朝井リョウ
組織の中で自分の正しさを問われる点で通じます。『武道館』はアイドルが他人の決めた正しさに従う苦しさを扱い、こちらは図書隊員の郁が厳しい教官のもとで失敗を重ねながら前線に立つ。アクションと恋愛も欲しいならこちら、仕事と自分の折り合いを考えたいなら武道館を。













