あらすじ
地下は少しずつ水に浸かり始めていて、残された時間は一週間ほど。その間に、仲間の一人が殺されます。誰が殺したのか分かれば、その人に残ってもらえばいい。閉じ込められた人々は疑い合いながら、犯人探しを始めます。探偵役を務めるのは、柊一の従兄・翔太郎です。
読みどころ
タイムリミットと閉ざされた空間という王道の設定に、犯人を当てることが、そのまま誰かの命を差し出すことになるというひねりが効いています。結末は、多くの読者が思わず声を上げた衝撃作。ネタばらしを見る前に、早めに読んでおくのがおすすめです。
こんな人に
おすすめしたいのは。ミステリの最後の数ページで、心底驚かされたい人。
2022年の「週刊文春ミステリーベスト10」で1位に選ばれました。同じ作者の『十戒』も、設定の近い作品です。
向かないかもしれない人
誰か一人が犠牲になるという前提が最初から置かれた話です。追い詰められた人々が疑い合う展開が苦手な人や、穏やかな読み心地を求める日には合わないかもしれません。
比べ読み
『屍人荘の殺人』今村昌弘
どちらも外界から閉ざされた場所で起きる殺人を扱い、星の並びも同じです。『屍人荘の殺人』は突飛な状況を謎解きの条件として使い切る面白さ、『方舟』は犯人を特定することがそのまま誰か一人の命を差し出す結果につながる重さが軸。驚きを軽めに楽しみたいなら屍人荘、張りつめた空気を味わいたいならこちらを。
『告白』湊かなえ
『告白』は登場人物のひとり語りが章ごとに替わり、事実の意味がひっくり返っていく構成です。『方舟』は時間制限のある地下で疑い合う謎解きが中心。語りの仕掛けと後味の悪さを味わいたいなら『告白』、閉じ込められた状況の緊張を求めるならこちらから入ると合います。









