あらすじ
森口悠子は中学校の教師で、一人で育てていた幼い娘を学校のプールで亡くしました。警察は事故と判断します。けれど終業式の日、森口は受け持ちのクラスで、娘はこのクラスの生徒に殺されたのだと話し始める。この「告白」を起点に、物語は章ごとに別の人物の語りへと引き継がれていきます。
読みどころ
全編が登場人物のひとり語りで組み立てられていて、同じ事件を別の人間が語るたびに、事実の意味がひっくり返る。そこにこの作品の凄みがあります。後味の悪さまで含めて、止まらずに最後まで読ませる力がある。「イヤミス」という言葉を広めた作品のひとつとも言われます。
こんな人に
おすすめしたいのは。止まらなくなるミステリを探している人。
2010年に映画化。読後感は明るくないので、それを承知のうえで手に取ってください。
向かないかもしれない人
子どもの死をめぐる話で、紹介文でも後味の悪さが念を押されています。明るい気分で本を閉じたい人や、救いのある展開を求める人は時期を選ぶほうが無難です。
比べ読み
『赤い指』東野圭吾
『赤い指』は、親が子をかばうことがどこまで許されるのかを突きつける話で、五つの星の並びはこちらと同じ。あちらは加賀恭一郎が一つの家族に向き合う刑事ものの形、こちらは教師の語りから章ごとに語り手が替わる形。探偵役の視点で落ち着いて読みたいなら『赤い指』、語りが反転していく緊張を求めるなら『告白』を。
『元彼の遺言状』新川帆立
『元彼の遺言状』は善人でない主人公が話を運ぶ、遠慮のなさが持ち味のミステリです。後味の悪さまで含めて読ませる『告白』とは気分の向きが違うので、重い話を受け止める余裕がない日はあちらを、湊かなえの語りの仕掛けに浸る覚悟がある日はこちらを先に。














