棚の前で/ミステリの部/告白

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棚の前で

『告白』双葉文庫の書影書影:版元ドットコム

告白

  • ミステリ
  • 双葉文庫
  • 分量:ふつう

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです。」終業式の日、教師は教室でそう告げた。2009年本屋大賞受賞作。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
双葉社
判型
双葉文庫
刊行
2010年4月
ISBN
9784575513448

あらすじ

森口悠子は中学校の教師で、一人で育てていた幼い娘を学校のプールで亡くしました。警察は事故と判断します。けれど終業式の日、森口は受け持ちのクラスで、娘はこのクラスの生徒に殺されたのだと話し始める。この「告白」を起点に、物語は章ごとに別の人物の語りへと引き継がれていきます。

読みどころ

全編が登場人物のひとり語りで組み立てられていて、同じ事件を別の人間が語るたびに、事実の意味がひっくり返る。そこにこの作品の凄みがあります。後味の悪さまで含めて、止まらずに最後まで読ませる力がある。「イヤミス」という言葉を広めた作品のひとつとも言われます。

こんな人に

おすすめしたいのは。止まらなくなるミステリを探している人。

2010年に映画化。読後感は明るくないので、それを承知のうえで手に取ってください。

向かないかもしれない人

子どもの死をめぐる話で、紹介文でも後味の悪さが念を押されています。明るい気分で本を閉じたい人や、救いのある展開を求める人は時期を選ぶほうが無難です。

比べ読み

『赤い指』東野圭吾

『赤い指』は、親が子をかばうことがどこまで許されるのかを突きつける話で、五つの星の並びはこちらと同じ。あちらは加賀恭一郎が一つの家族に向き合う刑事ものの形、こちらは教師の語りから章ごとに語り手が替わる形。探偵役の視点で落ち着いて読みたいなら『赤い指』、語りが反転していく緊張を求めるなら『告白』を。

『元彼の遺言状』新川帆立

『元彼の遺言状』は善人でない主人公が話を運ぶ、遠慮のなさが持ち味のミステリです。後味の悪さまで含めて読ませる『告白』とは気分の向きが違うので、重い話を受け止める余裕がない日はあちらを、湊かなえの語りの仕掛けに浸る覚悟がある日はこちらを先に。

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