あらすじ
まみずの願いはどれもささやかで、ときに無茶なものでした。卓也は、その一つひとつに付き合いながら、姉を亡くして以来止まっていた自分の時間とも向き合っていきます。
読みどころ
難病ものの定番の形をとりながら、残される側の苦しみにもきちんと光を当てています。卓也の抱える喪失の話が、まみずの物語と重なっていく後半が胸に迫ります。
こんな人に
おすすめしたいのは。大切な人との時間について考えたい人。
2019年に永野芽郁、北村匠海の出演で映画化されました。
向かないかもしれない人
難病ものの定番の形をとっているため、病気と別れを軸にした展開に食傷気味の人には新鮮さが薄いかもしれません。身近な喪失が生々しい時期の人にも重く響きそうです。
比べ読み
『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』鴨志田一
少女の不思議な症状に少年が関わる骨組みが『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』と重なる。あちらは軽妙な会話と湘南の風景が前に出て、誰にも見られない孤独が怖さになる。こちらは治らない病と残される側の喪失に焦点がある。会話劇なら向こう、別れを考えたいならこちら。
『さくら荘のペットな彼女』鴨志田一
『さくら荘のペットな彼女』は寮のにぎやかなコメディに夢を追う嫉妬や挫折が重なる。こちらは入院している少女のささやかな願いを一つずつ叶えていく静かな話で、姉を亡くした少年の時間も動き出す。笑いながら刺さりたい日は向こう、しんみり向き合いたい日はこちら。








