あらすじ
作中作は、仮想空間の恋愛、ネット上の諍い、人工知能の自我などを扱います。読み進めるうちに、なぜアイビスがこれらを語るのかが分かってきます。
読みどころ
人工知能を敵ではなく語り手に据えた作品です。刊行は2006年で、いま読むと予見的に見える部分が多くあります。
こんな人に
おすすめしたいのは。人工知能を扱った物語に関心がある人。
同じ著者の『神は沈黙せず』も長編です。
向かないかもしれない人
厚い本で作中作が積み重なる構成なので、一本の筋を最後まで追いたい人にはまわり道に感じられるかもしれない。実用の星は1つで、技術解説を求める読み方にも向かない。
比べ読み
『クララとお日さま』Kazuo Ishiguro
人工知能を語り手に据える点で重なる。『クララとお日さま』は子どもの話し相手のロボットが、少しずれた純粋な目で人間を見る、童話に近いやわらかさ。『アイの物語』はアンドロイドが作中作を次々に語り、なぜ語るのかが後から見えてくる構えの大きい長編。薄く静かに入るなら『クララ』を先に。
『BEATLESS』長谷敏司
どちらも厚い人工知能もので、星の並びも同じ。『BEATLESS』は高度な人型ロボットと少年の契約を軸に、AIを道具として書ききり展開が速い。『アイの物語』は短い物語の連なりで、仮想空間の恋やネットの諍いまで扱う。勢いのある長編を一本で読むなら『BEATLESS』、区切りながら進めたいならこちら。








