棚の前で/SFの部/一九八四年

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棚の前で

『一九八四年』ハヤカワepi文庫の書影書影:版元ドットコム

一九八四年

  • SF
  • ハヤカワepi文庫
  • 分量:厚い

「ビッグ・ブラザーがあなたを見ている」。すべてが監視され、過去さえ書き換えられる社会を描いた、1949年のディストピア小説の新訳版。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
早川書房
判型
ハヤカワepi文庫
刊行
2009年7月
ISBN
9784151200533

あらすじ

舞台は、世界が三つの超大国に分かれた近未来のロンドン。オセアニアという国では、党の指導者「ビッグ・ブラザー」のもと、市民の暮らしは「テレスクリーン」によって常に見張られています。真理省で働くウィンストン・スミスの仕事は、党にとって都合の悪くなった過去の記録を書き換えること。党への疑いを抑えきれなくなった彼は、禁じられた日記をつけ始めます。

読みどころ

監視社会、言葉の統制、事実の改ざん。「二重思考」や「ニュースピーク」がいまも普通に使われる言葉になっていることが、この小説の力を物語っています。すらすら読める本ではありません。それでも読み通すと、世の中の見え方が確実に変わります。

こんな人に

おすすめしたいのは。情報や言葉の扱われ方に、違和感を覚えたことがある人。

同じ作者の『動物農場』は、同じテーマを寓話の形で短く描いた作品です。そちらから入るのもひとつの手です。

向かないかもしれない人

読みやすさは星3で、党の仕組みや思想の説明に紙幅が割かれます。息抜きの本を探している人や、展開の速さを重視する人には、重く長い道のりになりそうです。

比べ読み

『すばらしい新世界 新訳版』オルダス・ハクスリー

どちらも管理された社会を描くディストピアの古典です。『すばらしい新世界』は瓶の中で作られ階級を決められた人々が、不満のない暮らしの中にいる世界。『一九八四年』は監視と記録の書き換えで人を縛る国です。満ち足りた状態で従わされる怖さならハクスリー、恐怖と言葉の統制の怖さならオーウェル。

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』フィリップ・K・ディック

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』は人間そっくりの機械を狩る男が、相手との違いを見失っていく話で、問いは人間らしさの側にあります。オーウェル作品の問いは国家と真実の側。読みやすさに差はないので、個人の内面に寄るならディック、社会の仕組みに寄るならこちらから。

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