あらすじ
前半は工場のような孵化場の見学から始まり、この社会の仕組みが説明されます。後半、保護区で育った「野蛮人」ジョンが文明社会に連れてこられ、両者の価値観が正面からぶつかる。ソーマという薬が日常的に使われる社会でもある。
読みどころ
1932年の作品です。管理社会を恐怖ではなく快適さで描いた点が、同時代の他のディストピア小説と違います。『一九八四年』と読み比べると違いがはっきりしてくる。
こんな人に
おすすめしたいのは。ディストピア小説の古典を押さえたい人。
ジョージ・オーウェル『一九八四年』と並んで語られる作品です。
向かないかもしれない人
読みやすさは星3で、前半は孵化場の見学を通じた社会の仕組みの説明が続きます。最初から筋の起伏で引っ張ってほしい人は、序盤で足が止まりやすいでしょう。
比べ読み
『一九八四年』ジョージ・オーウェル
並べて語られることの多い二冊です。『一九八四年』は監視と言葉の統制による恐怖の社会、『すばらしい新世界』は薬と階級で不満を消した快適な社会を描きます。実用度は『一九八四年』が星2で一つ上。先に恐怖型を読み、そのあと快適さ型で比べると違いがはっきりします。
『都市と星』アーサー・C・クラーク
永遠に安全な暮らしを幸福と呼べるかという問いが、二冊に共通しています。『都市と星』は十億年変わらない都市から外へ出ようとする少年の話で、古典SFとしては落ち着いた読み味。『すばらしい新世界』は野蛮人ジョンと文明社会の衝突が山場です。穏やかな気分ならクラーク、議論したい気分ならハクスリーを。








