あらすじ
錬金術に没頭する家長、三十二回の反乱を起こす大佐、昇天する美女、百年を超えて一族を見守り続ける女家長ウルスラ。同じ名前が代々受け継がれるので、誰が誰だか分からなくなるのも、この本のお約束です。村にはやがて鉄道が通り、バナナ会社がやってきて、外の世界の暴力も入り込んできます。
読みどころ
正直に言って、読みやすい本ではありません。けれど家系図を手元に置いて何度も見返しながら読み進めると、途中から一族の時間の流れに呑み込まれていく。作者は1982年にノーベル文学賞を受賞しました。一生に一度は挑戦してみる価値のある一冊です。
こんな人に
おすすめしたいのは。時間をかけて、とてつもない物語に浸りたい人。
2024年にはNetflixでドラマ化されました。まとまった休みに、腰を据えて読むのがおすすめです。
向かないかもしれない人
読みやすさは星2で、同じ名前が代々受け継がれるため人物の区別に手間がかかります。家系図を見返しながら進む読み方が合わない人や、短い時間で区切って読みたい人には重荷になりがちです。
比べ読み
『金閣寺』三島由紀夫
読みやすさが星2どうしの、挑む覚悟がいる二冊です。『金閣寺』は火を放った若い僧が自分の言葉で内側を語る作りで、硬い文と比喩の密度で押してきます。こちらは同じ名前の人物が代々入れ替わりながら、一族百年の時間が流れていく厚い本。一人の心に深く潜りたいなら三島、大きな時間の流れに呑まれたいならマルケスを。
『沈黙』遠藤周作
外の暴力が共同体に入り込む点で並べられます。『沈黙』は禁教下の日本へ潜り込んだ司祭が、責め苦を受ける信徒と黙したままの神のあいだで揺れる話で、読みやすさは星3です。『百年の孤独』は鉄道やバナナ会社とともに村が変わっていく一族の年代記です。一人の問いを掘るなら遠藤作品から、長い流れはそのあとで。








