棚の前で/砂の女

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棚の前で

『砂の女』新潮文庫の書影書影:版元ドットコム

砂の女

  • 文学
  • 新潮文庫
  • 分量:ふつう

昆虫採集に出かけた男が、砂丘の村で、砂の穴の底にある家から出られなくなる。1962年に発表され、多くの国で翻訳されてきた作品。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
新潮社
判型
新潮文庫
刊行
1981年2月
ISBN
9784101121154

あらすじ

学校の教師である男は、休暇を使って新種の昆虫を探しに、海辺の砂丘の村を訪れます。日が暮れて帰りのバスを逃した男に、村人は一晩の宿を世話する。縄ばしごを下りた先、砂の穴の底には、一人の女が住む家がありました。翌朝、縄ばしごは引き上げられ、男はそこから出られなくなっていたのです。

読みどころ

砂を掻き出し続けなければ家が埋まってしまう、という不条理な状況のなかで、「自由」とは何か、日常とは何かが問われていきます。必死に抗う男と、淡々と暮らす女の対比が鮮烈。読み返すたびに、違う読み方ができる作品です。

こんな人に

おすすめしたいのは。同じ毎日の繰り返しに、ふと疑問を持った人。

1964年に勅使河原宏監督で映画化されています。同じ作者の『箱男』も、奇妙な設定から人間を描いた作品です。

向かないかもしれない人

読みやすさは星3つで、話は砂の穴の底からほぼ動きません。テンポのいい展開を好む人や、閉じ込められる息苦しさが苦手な人にはつらい時間が続きます。

比べ読み

『変身』Franz Kafka

ある日突然、抜け出せない状況に置かれる不条理という点で近い二冊です。『変身』は短く、一時間ほどで読み終えられる長さで、読みやすさの星は4つ。『砂の女』は星3で、砂を掻き続ける日々の中で自由とは何かを問う比重が大きい。不条理文学に慣れていなければ変身を先に。

『異邦人』Albert Camus

『異邦人』も薄い文庫で文章は平易、普通の感じ方から外れた人の扱われ方を書きます。こちらは抗う男と淡々と暮らす女の対比が軸で、閉じ込められる息苦しさが強い。社会の決まりごとに目が向いている時は異邦人、日常の繰り返しに疑問がある時は砂の女が合います。

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