棚の前で/SFの部/なめらかな世界と、その敵

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棚の前で

『なめらかな世界と、その敵』ハヤカワ文庫JAの書影書影:版元ドットコム

なめらかな世界と、その敵

  • SF
  • ハヤカワ文庫JA
  • 分量:ふつう

並行世界を自由に行き来できるのが当たり前になった日常。そこで高校生が交わす何気ない会話から始まる短編集。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
早川書房
判型
ハヤカワ文庫JA
刊行
2022年4月
ISBN
9784150315184

あらすじ

収録作は方向がばらばらです。ソ連の計算機技術をめぐる歴史改変、能力を持つ少女たちの因縁、日本SFの受容史そのものを題材にした一編。どれも過去の作品への目配せが多く、巻末には作者による解題が付いています。

読みどころ

一編ごとに文体も語りの形式も変えるのがこの短編集の特徴です。近年の国内SFの中でも話題になった一冊で、SFをあまり読んでこなかった人の入口にもなります。

こんな人に

おすすめしたいのは。短編ごとに作風が変わる本を楽しめる人。

著者は日本SFの選集の編者としても知られています。単行本は2019年刊。

向かないかもしれない人

収録作の向きがばらばらで、過去のSF作品への目配せも多い短編集です。一冊を通して同じ作風を味わいたい人や、元ネタが気になって落ち着かない人には合わないかもしれません。

比べ読み

『虐殺器官〔新版〕』伊藤計劃

『虐殺器官』は一人の語り手が淡々と戦争の暴力を語る長編で、星の並びは同じです。収録作ごとに書きぶりも語りの形も変わる短編集のこちらとは対照的に、一つの声で最後まで押し通します。国内SFの幅を短く試したいならこちらを先に、腰を据えて一本の筋に浸りたい時は『虐殺器官』へ。

『虎よ、虎よ!』アルフレッド・ベスター

1956年の『虎よ、虎よ!』は復讐だけを支えに生き延びる男を走らせる古典で、後世への影響が大きいとされます。過去の作品への目配せが多いこちらと並べると、古典側の一冊として面白さが増します。一本筋の勢いを追いたい日はベスター、作風の変化を楽しみたい日は伴名練を。

stock

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