あらすじ
朝起きる時間、洗濯、ジャム作り、野いちご摘み。祖母が教えるのは、自分で決めて自分で動くということだけです。庭や森の描写が丁寧で、季節の移り変わりが物語の時計になります。
読みどころ
不登校を問題として扱わず、暮らしの立て直しとして書く作品です。中学生から読めますが、大人が読むほうが刺さる場面もあります。
こんな人に
おすすめしたいのは。静かな再生の物語を読みたい人。
映画版は2008年公開。『裏庭』も同じ作者の作品です。
向かないかもしれない人
大きな事件は起きず、朝起きる時間や庭仕事といった暮らしの細部が中心です。起伏のある展開や謎解きで先へ引っ張られたい人には、穏やかすぎると感じられるかもしれません。
比べ読み
『かがみの孤城 上』辻村深月
どちらも学校に行けなくなった少女の再出発を扱います。『かがみの孤城』は鏡の向こうの城で七人の事情が明かされ、終盤で手がかりが一本につながるファンタジー。こちらは祖母の家で洗濯やジャム作りを重ねる暮らしの話で、仕掛けより季節の手ざわりが中心。短く静かに浸りたい日はこちらを。
『カラフル』森絵都
中学生にも読める平易さと、大人に刺さる場面がある点で並びます。『カラフル』は死んだ「ぼく」が他人の体を借りて生き直す期限つきの話で、人を一つの色で見ていたと気づかされる筋。こちらは自分で決めて自分で動くことを祖母に教わる再生の話。設定の面白さで引かれるならカラフルから。








