あらすじ
芦川が職場に持ってくる手作りのお菓子を、みんなが褒めて受け取る。押尾は不満をためながら二谷と飲みに行き、二谷は芦川と付き合いながら押尾の提案に乗る。大きな事件は起こりません。あるのは、早退する人の仕事を誰が埋めるのか、差し入れにどう礼を言うのか、といった日々のことです。誰も悪者にできないまま、居心地の悪さだけが濃くなっていくところに、この小説の怖さがあります。
読みどころ
文芸誌『群像』2022年1月号に載り、同じ年に単行本が出て、第167回芥川賞を受けました。題名はやさしい願いの形をしていますが、読み終えるころには響きが変わって見えるはずです。食べものの話なのに、おいしそうな場面ほど落ち着かないという、めずらしい一冊。
こんな人に
おすすめしたいのは。職場で「あの人だけ許されている」と感じたことのある人。
会社という場所の息苦しさを別の形で書いた本なら『コンビニ人間』と並べてみてください。








