あらすじ
認知革命、農業革命、科学革命。ハラリはこの三つだけを補助線にして、ホモ・サピエンスが地球上でいまの地位に就くまでの7万年を描きます。上巻が扱うのは認知革命と農業革命まで。虚構を信じる能力こそが大人数の協力を可能にしたという議論が軸で、国家も貨幣も企業も、その延長として説明されていきます。
読みどころ
断言の気持ちよさで読ませるタイプの本です。「農業革命は史上最大の詐欺だった」——小麦がヒトを家畜化したのだ、という言い方に代表される反転が次々に来ます。個体の幸福と種の繁栄を分けて考える視点は、一度入れてしまうと元に戻せません。専門家からは単純化しすぎだという批判もある本なので、面白がりつつ、鵜呑みにしないくらいの距離で読むのがちょうどいいと思います。
こんな人に
おすすめしたいのは。教養書を一冊だけ持つなら、という人。
下巻は科学革命以降を扱います。上巻だけでも読み切った手応えがあるので、まずこちらから。
向かないかもしれない人
認知革命と農業革命までを扱う厚い上巻で、読みやすさは星3です。大きな流れを断言で切っていく書き方のため、単純化を嫌う人や、史料の細かな検討を求める人には物足りなく映ります。








