あらすじ
世之介は、流されやすくてお人好しで、少しずうずうしい青年です。大きな事件はほとんど起きません。そのかわり、1年のあいだにときどき、何年もあとの友人たちの暮らしが挟まります。大人になった彼らが、ふとした拍子に「そういえば、あいつがいた」と世之介を思い出す。その場面があるせいで、なんでもない学生生活の1日1日が、少しずつ違って見えてきます。
読みどころ
毎日新聞に2008年から1年間連載された長編で、2009年に単行本が出ました。第23回柴田錬三郎賞をとり、2010年の本屋大賞では3位。2013年には沖田修一監督、高良健吾主演で映画になっています。主人公が何かを成しとげる話ではなく、まわりの人の記憶に残っていく話です。読み終えたあと、自分の学生時代にいた誰かの顔が浮かんできます。
こんな人に
おすすめしたいのは。大学に入った最初の年のことを、今でもときどき思い出す人。
2013年の映画は、80年代の東京の空気ごと世之介を描いています。読んだあとに観ると、祥子の口ぶりがそのまま聞こえてくるはずです。









