あらすじ
連作短編の形で、秀美の高校生活が描かれます。優等生の学級委員、秀美とぶつかる教師、女子に嫌われている女子、年上の恋人・桃子。秀美は、大人や同級生の言うことに納得がいかないと、はっきりそう言う。そのたびに、学校で当たり前とされていることのおかしさが浮かび上がります。
読みどころ
三十年以上前に書かれた小説ですが、秀美の言葉は今の高校生が読んでもまっすぐ届くはずです。大人が読むと、秀美の周りにいる大人たちの格好よさ、格好悪さにも目が行く。短くて読みやすいのも、手に取りやすい理由です。
こんな人に
おすすめしたいのは。「普通はこうするものだ」という言葉に、いつも反発したくなる人。
中高生の子どもに手渡したい一冊です。大人は、自分が高校生だった頃を思い出しながら。
向かないかもしれない人
筋の起伏で引っ張る作品ではなく、秀美の言葉と態度が中心です。年上の恋人との関係も含め、主人公の奔放さに共感しにくい人には合いにくいでしょう。
比べ読み
『きみの友だち』重松清
学校の「当たり前」を疑う点で並ぶ『きみの友だち』は、友だちは多いほうがいいという思い込みを静かに崩す連作。こちらは秀美が納得できないことをはっきり口にして、正しさのおかしさを浮かび上がらせる。痛みに寄り添いたいなら向こう、反発の爽快さを味わいたいならこちら。
『何者』朝井リョウ
『何者』も若者の自意識を扱うが、舞台は就職活動とSNSで、終盤に痛いところを突かれる。こちらは軽い分量の高校生活で、主人公が大人の言い分に正面から反発する。自分を見つめ直す覚悟がある時は向こう、まっすぐな言葉で気持ちを軽くしたい時はこちらを。










