あらすじ
バター、ラーメン、ステーキ。作中の料理は具体的に描かれ、読者の食欲を刺激します。並行して、里佳と親友の関係、職場での扱われ方、家族の期待が描かれます。
読みどころ
実際の事件に着想を得ていますが、犯罪の謎解きではなく、世間がその女性をどう語ったかのほうが主題です。英訳版が海外で大きく読まれました。
こんな人に
おすすめしたいのは。食べ物の描写が濃い小説を読みたい人。
同じ作者の『ランチのアッコちゃん』は軽い読み口の連作です。
向かないかもしれない人
バターやステーキなど料理の描写が濃く、事件の謎解きは主題ではない。犯人探しの爽快さを期待する人や、こってりした食の場面が続くのが苦手な人には合わない。
比べ読み
『紙の月』角田光代
どちらも女性と犯罪を扱うが、『紙の月』は顧客のお金を使い込んでいく契約社員本人の側を追い、本作は事件の女性に面会する記者の側から世間の語り方を見る。踏み外す過程を内側から見たいなら紙の月、食と他人のまなざしを考えたい時は本作を。
『悪人』吉田修一
『悪人』は章ごとに視点が移り、誰の立場に立つかで出来事の見え方が変わる。本作は一人の記者が面会を重ねる形で、料理の描写が濃い。自分の判断を揺さぶられたい時は悪人、世間が一人の女性をどう語ったかを食べ物とともに追いたい時は本作へ。










