あらすじ
三原則があるためロボットは人を殺せない——その制約が、そのまま推理の枠になります。人口過密の都市の描写、食料事情、ロボットに仕事を奪われる不安など、社会の側の設定も細かい。
読みどころ
SFと本格ミステリを両立させた早い例として知られています。1954年の作品ですが、職を奪われる恐怖の描き方は今のほうが読みやすいかもしれません。
こんな人に
おすすめしたいのは。SFとミステリを同時に楽しみたい人。
続編は『はだかの太陽』。同じ作者の短編集に『われはロボット』があります。
向かないかもしれない人
1954年の作品なので、都市や技術の描写に古さを感じると入り込みにくいかもしれません。ロボット三原則という制約の理屈を追うのが面倒な人にも向きにくい作りです。
比べ読み
『華氏451度〔新訳版〕』Ray Bradbury
同じ1950年代の作品として『華氏451度』と並べられる。あちらは本を燃やす未来社会の怖さが軸で、考えることを面倒がる人々の姿が今に近い。こちらはロボット三原則を推理の枠にした刑事もので、謎解きの筋がはっきりしている。ミステリの骨格が欲しいならこちらを先に。
『BEATLESS』長谷敏司
人とロボットの関係を扱う『BEATLESS』は厚い長編で、人の理解を超えた知能を道具として書ききる。こちらは人間そっくりのロボットと刑事が組む捜査もので、分量も抑えめ。速い展開の長編に浸るなら向こう、古典の組み立てを味わうならこちらから。









