あらすじ
大人になった奈月は、人間社会を、子どもを産むための「工場」だと感じています。同じように社会になじめない夫と、世間体のためだけの結婚をして暮らしている。やがて、二人は由宇のいる長野の家へ向かい、「地球星人」の常識から完全に抜け出そうとします。
読みどころ
序盤には性的虐待の描写があり、後半はさらに読む人を選ぶ展開になります。気軽にはすすめられません。それでも、この社会の「普通」に心底息苦しさを感じてきた人には、ほかでは得られない解放感があるかもしれない。覚悟したうえで手に取ってください。
こんな人に
おすすめしたいのは。『コンビニ人間』を読んで、もっと先まで見てみたいと思った人。
かなり刺激の強い本です。体調や気分の落ち着いている時期に読むことをすすめます。
向かないかもしれない人
序盤から性的虐待が出てきて、後半は一段と過激な方向へ進みます。おすすめ度は星2で、体調や気分が不安定な時期の人、穏やかな結末を求める人には勧めにくい内容です。
比べ読み
『砂の女』安部公房
社会の決まりに閉じ込められる感覚を扱う点で通じる二冊です。『砂の女』は砂の穴の家から出られない男の不条理劇で、再読性は星5の満点です。『地球星人』は「普通」から完全に抜け出そうとする後半の展開が読む人を選びます。刺激を抑えて同じ問いに触れたいなら安部作品から。
『異邦人』Albert Camus
「普通はこう感じるはず」から外れた人がどう扱われるかを描く点で、『異邦人』と『地球星人』は同じ問いを持っています。カミュ作品は薄い文庫で文章も平易、村田作品は性的虐待の描写を含み後半がさらに過激です。まず『異邦人』で問いに触れ、それから踏み込むのが穏当です。








