あらすじ
話は、ジョナサンの日記、婚約者ミナの日記、ミナの親友ルーシーの手紙、精神科医セワードが蓄音機に吹きこんだ記録、新聞の切り抜きなどをつなげて進みます。伯爵が海を渡ったあと、夢遊病のくせがあるルーシーが夜ごと弱っていき、セワードは恩師のヴァン・ヘルシング教授を呼ぶ。読む側だけが、ばらばらの記録を重ねて先に怖さに気づく組み立てです。
読みどころ
伯爵の視点が一度も出てこないので、正体の分からないものが近づく怖さが最後まで薄れない。唐戸信嘉の新訳は文が素直で、当時の風俗や東欧の土地についての訳注と地図が付いているので、古い小説に慣れていなくても迷いにくい。巻末の解説は、英国と東欧の宗教の違いから作品を読み直していて、本編のあとに読むと面白い。
こんな人に
おすすめしたいのは。映画や漫画で知っている吸血鬼の、元の姿を見てみたい人。
同じ頃の英国の怪奇小説なら、スティーヴンスン『ジキル博士とハイド氏』が短く読めます。









