棚の前で/ホラーの部/粘膜人間

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棚の前で

『粘膜人間』角川ホラー文庫の書影書影:版元ドットコム

粘膜人間

  • ホラー
  • 角川ホラー文庫
  • 分量:軽い

小学生なのに身長195センチ、体重105キロ。暴力をふるう末の弟を、兄二人が河童に頼んで殺してもらおうとする。第15回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
角川グループパブリッシング
判型
角川ホラー文庫
刊行
2008年10月
ISBN
9784043913015

あらすじ

三部構成で、兄弟と河童の取引から始まり、話は思いもよらない方向へ転がっていきます。河童たちの奇妙な言葉づかい、軍の憲兵による拷問、薬物が見せる幻覚。現実と悪夢の境目がどんどん崩れていきます。

読みどころ

暴力や拷問の描写がかなり生々しく、苦手な人には本当におすすめできません。それでも、ほかのどのホラーとも違う独特の世界と、ブラックユーモアの効いた語り口には強い中毒性があります。

こんな人に

おすすめしたいのは。刺激の強い本に耐性があり、奇妙な世界に浸りたい人。

「粘膜」シリーズの一作目です。電車の中で読むと隣の人が気になる内容なので、家で読むのがよいと思います。

向かないかもしれない人

拷問まで含む暴力の場面が生々しく書かれ、刺激に弱い人には勧められない種類の本です。人目のある電車の中で読みたい人や、筋の通った現実的な話を求める人にも合いにくいでしょう。

比べ読み

『スラッシャー 廃園の殺人』三津田信三

どちらも血や暴力の量が多いと明記されたホラーです。『スラッシャー 廃園の殺人』はホラー映画の型を謎ときの舞台にした作りで、推理の筋が通っています。『粘膜人間』は河童や憲兵が出る悪夢のような世界とブラックユーモアが軸。理屈で締めたいなら三津田作品、奇妙さに浸りたいなら飴村作品を。

『十三番目の人格 ISOLA』貴志祐介

星の並びはほぼ同じでも、怖さの出どころが違います。『十三番目の人格 ISOLA』は心理学や精神医療の知識を積み、最後に足場を外す作り。『粘膜人間』は拷問や薬物の幻覚まで踏み込む刺激の強さが特徴です。描写の強さに不安があるなら貴志作品から、耐性があるならこちらを。

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