あらすじ
そんな中、当主リチャードの妹のファニーおばさんが、庭で亡き父の霊からお告げを受けます。世界はまもなく滅びるが、この屋敷の中にいる者だけは助かる。最初は誰も本気にしませんが、不気味な出来事が重なるうちに、一家は屋敷を箱舟に見立てて、終わりのあとの暮らしに備えはじめます。食べ物や品物を買いこみ、置き場所を作るために本を燃やし、外から人も招き入れる。誰がいちばん上に立つかの争いは、世界が終わる前提でも止まりません。
読みどころ
1958年に出た長編で、日本語訳は渡辺庸子。幽霊屋敷の話ではありませんが、こわいのは、終わりを信じた人たちが、終わったあとでも威張る場所を取りあうところです。人の小ささが、笑えるのにぞっとする。『丘の屋敷』や『ずっとお城で暮らしてる』と同じく、屋敷とそこから出られない人たちを書いた一冊です。
こんな人に
おすすめしたいのは。大げさな話になるほど、人の器の小ささが見えてくると思う人。
同じ作者の『処刑人』は、家を出た17歳の頭の中が崩れていく話です。屋敷に閉じこもる側と、家から出ていく側。2冊を並べると、ジャクスンが家というものをどう見ていたかが分かります。










