あらすじ
話は現在と過去を行き来します。現在のほうでは、里実の娘の小夜子が、ひとりで暮らす伯母の百合江を訪ね、倒れているのを見つける。百合江の娘の理恵は作家になっています。過去のほうでは、百合江が流れ着いた先々で、男と出会い、子を産み、その子を自分の知らないうちに里子に出されもする。
読みどころ
2011年に単行本が出た長編で、直木賞の候補に挙がり、のちに島清恋愛文学賞も受けています。不幸の連続なのに、百合江本人はなぜか不幸そうに見えない。そこがこの本の芯です。歌うことだけは最後まで手放さない。姉妹と娘たち、三代の女の話なので、登場人物の関係は最初に少し整理しながら読むと楽です。
こんな人に
おすすめしたいのは。親や祖母の若いころを、一度ちゃんと想像してみたい人。
同じ作者の『ホテルローヤル』も、道東の土地に生きる人たちを書いた短編集です。









