あらすじ
構成は、三つの事件と、その合間に挟まる短い章からなります。香月の知人の女性が殺された事件、作家仲間の別荘での事件、女子高生が続けて狙われる事件。翡翠の力は本物らしく、犯人の名は先に分かってしまう。そのうえで、警察を動かせる根拠をどう組み立てるかが、香月の腕の見せどころです。一方その裏では、痕跡を残さない連続殺人鬼が動いています。
読みどころ
内容に触れるほど楽しみが減る作品なので、ここでは多くを書きません。先入観をできるだけ持たずに、最後まで読んでほしい一冊です。翡翠のキャラクターがかなり濃いので、そこで好みが分かれるかもしれませんが、途中でやめないことを強くすすめます。
こんな人に
おすすめしたいのは。ミステリをそれなりに読んできて、驚かされたい人。
続編の『invert 城塚翡翠倒叙集』もありますが、必ずこちらを先に読んでください。
向かないかもしれない人
翡翠の人物造形がかなり濃く、そこで好みが分かれる作品です。キャラクターの癖が強い本が苦手な人や、合わないと感じたら途中でやめたい人には向かないかもしれません。
比べ読み
『そして誰もいなくなった』Agatha Christie
『そして誰もいなくなった』は童謡のとおりに十人が一人ずつ死んでいく古典で、後の無数の作品の下敷きになっています。『medium』はミステリをそれなりに読んできた人ほど驚ける作りなので、古典をまだ読んでいないならクリスティーを先に、すでに読んだならこちらへ進むのが合っています。
『インシテミル』米澤穂信
『インシテミル』は館もののお約束を半分冗談のように扱い、読み慣れていない人はサスペンスとしても楽しめる作りです。濃い探偵役と論理の組み立てを追う『medium』のほうが、読み手にミステリの経験を求めます。肩の力を抜いて読みたい日は『インシテミル』から入ると無理がありません。








