あらすじ
革命の進め方が具体的です。細胞単位の秘密組織の作り方、世論の動かし方、地球への対抗手段としての質量投射機。マイクが勝算を何パーセントと告げる場面が繰り返され、そのたびに数字が動きます。月社会の家族制度や言葉づかいの作り込みも細かい。
読みどころ
1966年の作品ですが、集団が自分たちの決まりを一から作る過程の描写は今でも新しく読めます。地の文が月世界の訛りを写した独特の文体で、最初の数十ページは慣れが要ります。
こんな人に
おすすめしたいのは。政治や組織づくりの手順を描いたSFが読みたい人。
同じ作者の『夏への扉』は、もっと短く読みやすい一作です。
向かないかもしれない人
月世界の訛りをそのまま地の文に写しているため、序盤は慣れるまで読みにくさがあります。革命の手順や勝算の数字の推移を細かく追うのが苦手な人には長く感じられるでしょう。
比べ読み
『復活の日』小松左京
星はまったく同じで、どちらも人と組織がどう動くかを具体的に書いた長編です。『復活の日』は感染症で人類がほぼ絶えたあとの生存者、『月は無慈悲な夜の女王』は月の独立をめざす革命の手順が題材。災害ものが好きなら小松作品、政治ものが好きならこちらを先に。
『三体』劉慈欣
物語性は二冊とも星5で並びます。『三体』は宇宙物理を理解しなくても一本の糸を握っていれば進める作りで、『月は無慈悲な夜の女王』は訛りを写した地の文に最初の数十ページで慣れが要ります。文体の癖で止まりたくない人は劉作品から、組織づくりの細部を読みたい人はハインラインから。









