あらすじ
前半は世界各地の混乱と各国政府の判断の遅れ。後半は南極に集まった人々が、限られた人数と物資で社会を作り直そうとする過程です。さらにもう一つの危機が控えていて、生き残った人々は再び選択を迫られます。
読みどころ
発表は1964年。感染症そのものより、人と組織がどう動くかを書いた作品で、いま読んでも古びない部分が多くあります。専門的な説明も多いので、読む速度は落ちますが、そこが読みどころでもあります。
こんな人に
おすすめしたいのは。災害や感染症を扱った長編を、腰を据えて読みたい人。
深作欣二監督による映画版が1980年に公開。同じ作者では『日本沈没』が長く読まれています。
向かないかもしれない人
専門的な説明が多く、読む速度は落ちます。前半は世界各地の混乱が続くので、感染症の広がりを読むのが今はつらい人や、身近な人物の話から入りたい人には重い入口です。
比べ読み
『月は無慈悲な夜の女王』ロバート・A・ハインライン
厚さも星の並びも同じ、限られた人々が社会の決まりを作り直す話です。『月は無慈悲な夜の女王』は流刑地だった月の独立運動で、計画の中心に自我を持った計算機がいます。こちらは人類が激減したあとの南極が舞台。訛りを写した文体を楽しめるならハインライン、組織の判断の遅れから追いたいなら小松作品を。
『第六ポンプ』パオロ・バチガルピ
人の暮らしが壊れる過程を扱う二冊ですが、分量が対照的です。『第六ポンプ』は環境と資源を主題にした短編集で、話ごとに世界が変わり区切って読めます。小松作品は厚い長編一本で、各国政府の判断から南極での再建までを通して追う構え。まず短く試すならバチガルピ、何日もかけて没頭する覚悟があるならこちら。










