棚の前で/人生の部/森に眠る魚

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棚の前で

『森に眠る魚』単行本の書影書影:版元ドットコム

森に眠る魚

  • 人生
  • 単行本
  • 分量:ふつう

子どもの受験をめぐって、五人の母親の関係が少しずつ壊れていく。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
双葉社
判型
単行本
刊行
2008年12月
ISBN
9784575236491

あらすじ

語り手は章ごとに替わり、同じ会話が別の受け取られ方をしていることが分かります。誰も明確な悪意を持っていないのに、疑いと比較が積み重なっていく。子どもたちの様子も並行して描かれます。

読みどころ

加害の自覚がないまま追い詰め合う過程を、丁寧に書いた作品です。実際の事件から着想を得ていますが、事件そのものの再現ではありません。

こんな人に

おすすめしたいのは。人間関係の緊張を描いた小説が読みたい人。

同じ作者の『対岸の彼女』も女性同士の関係を扱っています。

向かないかもしれない人

五人の母親の関係が壊れていく過程を丁寧に追う話で、救いのある展開や爽快な解決を求める人にはつらいかもしれない。子育てや受験の人間関係に疲れている時期にも負担が大きい。

比べ読み

『悪人』吉田修一

どちらも視点を替えて出来事の見え方を揺さぶる。「悪人」は峠で見つかった遺体をめぐって悪人とは誰かを問う長編で、九州の地名や方言が生々しい。「森に眠る魚」は子どもの受験をめぐる五人の母親が、悪意なく追い詰め合う過程を章ごとの語りで追う話。事件の重さを読みたいなら「悪人」、身近な関係の緊張ならこちら。

『正欲』朝井リョウ

「正欲」は多様性という言葉が届かない人たちを扱い、読む側の思い込みを揺さぶる。「森に眠る魚」は比較と疑いが積み重なり、はっきりした悪意がないまま関係が壊れていく。社会の見方を問い直したい時は「正欲」、母親たちの日常の緊張をじっくり追いたい時はこちら。星の並びは同じで、重さも近い。

stock

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