棚の前で/ホラーの部/パラサイト・イヴ

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棚の前で

『パラサイト・イヴ』新潮文庫の書影書影:版元ドットコム

パラサイト・イヴ

  • ホラー
  • 新潮文庫
  • 分量:ふつう

事故死した妻の肝細胞を、夫である研究者が培養し続ける。細胞の中のミトコンドリアが、そこで意思を持ち始める。第2回日本ホラー小説大賞受賞作。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
新潮社
判型
新潮文庫
刊行
2007年2月
ISBN
9784101214344

あらすじ

物語は三方向から進みます。細胞を育てる利明、腎臓移植を受ける少女とその家族、そして培養されたミトコンドリア自身の視点。専門用語には説明が添えられていて、細胞の中で何が起きているのかを追いながら読み進められます。

読みどころ

恐怖の主役が細菌でも霊でもなく、誰の体の中にもある細胞小器官である点が、この作品を特別なものにしています。発表は1995年。分子生物学の知識を物語の骨格にした国産ホラーの出発点になりました。

こんな人に

おすすめしたいのは。理科系の知識が物語の芯にあるホラーを読みたい人。

同じ設定から派生したゲームや映画がありますが、筋はそれぞれ別ものです。

向かないかもしれない人

専門用語に説明があるとはいえ、細胞の話を追うのが苦手な人にはしんどいかもしれない。おすすめ度と再読性の星が低めで、気軽に怖がりたい夜向きではない。

比べ読み

『十三番目の人格 ISOLA』貴志祐介

どちらも専門分野の知識を土台にしたホラー。『十三番目の人格 ISOLA』は心理学や精神医療を題材に、十二の人格を持つ少女の中の異物を追う。『パラサイト・イヴ』は分子生物学で、細胞の中のミトコンドリアが意思を持つ。読みやすさの星は『ISOLA』が1つ上なので、理系ホラーに慣れていないならそちらから。

『粘膜人間』飴村行

『粘膜人間』は暴力や拷問の生々しさとブラックユーモアで押す、薄めの異色作。『パラサイト・イヴ』は三つの視点を行き来しながら、説明の添えられた科学用語で怖さを組み立てる。刺激の強さなら『粘膜人間』、理屈で詰める怖さならこちら。過激な描写が苦手な人は迷わずこちらを選びたい。

stock

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