あらすじ
仕事の単調さ、友人との関係、母との同居。生活の細部が淡々と書かれ、大きな転機は訪れません。それでも、目標を持つことで日々の見え方が変わっていきます。
読みどころ
芥川賞を受けた作品です。働くことの退屈さを書きながら、それを否定しない姿勢が一貫しています。
こんな人に
おすすめしたいのは。働く日々に区切りをつけたい人。
同じ作者の『とにかくうちに帰ります』も文庫にあります。
向かないかもしれない人
大きな転機は訪れず、仕事や母との同居の細部が淡々と続きます。起伏の大きい展開や、人生が劇的に変わる話を求める人には平板に感じられるかもしれません。
比べ読み
『西の魔女が死んだ』梨木香歩
『西の魔女が死んだ』は学校へ行けなくなった少女が祖母の家で暮らしを立て直す話で、物語性はこちらより一つ高い星5です。どちらも生活の細部を大事にしますが、大人の働く毎日を淡々と追うのがこちら。十代の再出発に寄り添いたいなら魔女の話、仕事の退屈と付き合う話ならこちらを。
『線は、僕を描く』砥上裕將
『線は、僕を描く』は水墨画の巨匠に誘われた大学生が筆を学ぶ話で、星の並びは同じです。芸術の世界での回復を書くあちらに対し、こちらは世界一周の費用と自分の年収という身近な数字から日々を見直します。静かな熱を感じたいなら水墨画の話、自分の働き方を考えたい時はこちらを先に。











