棚の前で/人生の部/ラブカは静かに弓を持つ

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棚の前で

『ラブカは静かに弓を持つ』集英社文庫の書影書影:版元ドットコム

ラブカは静かに弓を持つ

  • 人生
  • 集英社文庫
  • 分量:ふつう

音楽の著作権を管理する団体の職員が、証拠集めのため、身分を隠して音楽教室に通う。第25回大藪春彦賞受賞作。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
集英社
判型
集英社文庫
刊行
2025年5月
ISBN
9784087447682

あらすじ

橘は子どものころにチェロを習っていましたが、ある出来事をきっかけにやめていました。潜入先で担当になったのは、若い講師の浅葉。レッスンを重ねるうちに、橘は再びチェロを弾く喜びを思い出し、浅葉や教室の仲間たちとの関係も深まっていく。けれど、自分は彼らを欺いている。その罪悪感が、日に日に重くなっていきます。

読みどころ

実際にあった音楽教室と著作権団体の訴訟を思わせる設定ですが、中心にあるのは、心に傷を抱えた一人の青年の回復の話です。チェロの演奏場面の描写が美しく、クラシックに詳しくなくても音が聞こえてくるよう。本屋大賞でも上位に入った作品です。

こんな人に

おすすめしたいのは。昔やめてしまった習いごとが、今もどこか心に引っかかっている人。

2025年に文庫になりました。読みながらチェロの曲を流すと、雰囲気がさらに増します。

向かないかもしれない人

事件の謎解きや派手な動きを読みたい人は、拍子抜けするかもしれない。中心は傷を抱えた青年の回復で、潜入の緊張も静かに進む。

比べ読み

『常設展示室』原田マハ

芸術を題材にしても、知識がなくても追える点は共通。『常設展示室』は一枚の絵の前で女性たちが何を思うかを六つの短い話で見せる。『ラブカは静かに弓を持つ』は潜入調査という緊張を抱えた長編で、チェロの演奏場面が軸になる。短く区切りたいなら『常設展示室』、腰を据えて一人の回復を追うならこちら。

『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ

『そして、バトンは渡された』は家族の形が何度も変わる女子高生の話で、食卓の場面が明るい。『ラブカ』は身分を隠して音楽教室に通う罪悪感が、日を追うごとに重くなる。読みやすさはどちらも星5つ。気持ちを軽くしたい日は『バトン』を、張りつめたものを抱えながら読みたい日はこちらを。

stock

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