あらすじ
指導にあたるのは、風変わりなピアニストの岬洋介。練習の描写が長く、曲の解釈や身体の使い方が具体的に語られます。並行して、遥の周囲で不審な出来事が続きます。
読みどころ
音楽小説として読んでいた読者が、最後に足元をすくわれる作りです。ピアノの描写は素人にも伝わるように書かれています。
こんな人に
おすすめしたいのは。音楽と謎解きを一緒に楽しみたい人。
岬洋介のシリーズは『おやすみラフマニノフ』へと続きます。
向かないかもしれない人
練習の描写が長く、曲の解釈や身体の使い方が細かく語られます。謎解きだけを速く進めたい人や、大やけどを負った少女という設定がつらい人には合わない場面があります。
比べ読み
『容疑者Xの献身』東野圭吾
星は五軸とも同じで、どちらも終盤に見え方が変わる作りです。『容疑者Xの献身』は天才同士の読み合いと題名の意味に重心があり、『さよならドビュッシー』はピアノの練習描写を積み上げた先で足元をすくいます。人間ドラマを求めるなら東野作品、音楽の場面も味わいたいならこちらを。
『カラスの親指』道尾秀介
騙される側に読者が置かれる点は共通しています。『カラスの親指』は詐欺師たちの軽い語り口で進むだまし合い、『さよならドビュッシー』は火事を生き延びた少女がピアニストを目指す音楽小説の形を取ります。軽快さを求める日は道尾作品、練習の場面をじっくり追いたい日は中山作品から。









