あらすじ
前半は日常の場面が多く、人物の来歴が少しずつ明かされていく。後半は計画の実行に移り、細かい段取りの描写が続く。誰が何を知っていたのかは、終盤にまとめて示される。
読みどころ
騙される側にいるのは読者のほうという作りになっています。軽い語り口で進みますが、人物それぞれが背負っているものは重く、最後まで読むと題名の意味が分かります。
こんな人に
おすすめしたいのは。詐欺師ものや、だまし合いの話が好きな人。
映画版は2012年公開。『シャドウ』も評価の高い一作です。
向かないかもしれない人
分量が厚く、前半は日常の場面が多いので、序盤から事件で引っ張ってほしい人にはもどかしいかもしれません。人物が背負う過去は重く、軽い犯罪コメディだけを期待する人にも注意が要ります。
比べ読み
『さよならドビュッシー』中山七里
読者が足元をすくわれる作りは『さよならドビュッシー』と共通。あちらはピアニストを志す少女の音楽ものとして話が進み、分量もふつう。こちらは詐欺師たちの日常と計画の段取りを厚めに積んでいく。音楽の場面を楽しみながら騙されたいなら向こう、人物の来歴ごと付き合いたいならこちらを。
『往復書簡』湊かなえ
『往復書簡』は手紙だけで過去の事故の真相が書き換わる静かなミステリで、明かされる内容は重い。こちらは軽い語り口の詐欺師もので、後半は計画の実行が続く。言葉だけを手がかりにじっくり考えたい時は向こう、テンポよく騙される快感を求める時はこちらが合います。













