あらすじ
事件は日本中の素人探偵が推理を競ったまま、昭和の終わり近くになっても未解決のまま残っていました。その資料を持ち込まれたのが、占星術師の御手洗潔と、友人のイラストレーター石岡和己。二人は過去の記録を読み解き、京都へも足を運びながら、真相に迫っていきます。
読みどころ
前半は手記や捜査記録が続き、正直に言えば少し読みづらい。けれど、その辛抱がすべて最後の数十ページで報われる作りになっています。途中に「読者への挑戦」が入るので、自分で解いてみたい人は手を止めて考えてみてください。
こんな人に
おすすめしたいのは。古典的な本格ミステリの、フェアな勝負を味わいたい人。
今出ているのはこの改訂完全版です。御手洗潔シリーズはこの一冊から始まります。
向かないかもしれない人
前半は手記や捜査記録が続き、読みやすさは星3にとどまる。展開の速さや人物の感情の動きを中心に読みたい人は、序盤で手が止まるかもしれない。
比べ読み
『十角館の殺人』綾辻行人
どちらも仕掛けで勝負する本格ミステリ。「十角館の殺人」は島と本土の二つの話が交互に進み、読みやすさは星一つ上。「占星術殺人事件」は前半の手記や捜査記録を辛抱して読む必要があり、途中に読者への挑戦が入る。まず読みやすい方で本格に慣れるなら「十角館」、自分で解く勝負をしたいならこちら。
『三つの棺〔新訳版〕』ジョン・ディクスン・カー
「三つの棺」は1935年の密室ものの古典で、密室の仕掛けを種類ごとに講義する章がある。「占星術殺人事件」は各地で遺体が見つかった昭和の事件を四十年以上たってから解く形。密室の型を知りたいなら「三つの棺」、記録を読み込む長い推理に挑むならこちら。読みやすさはどちらも星3なので腰を据えて。









