棚の前で/ミステリの部/天使のナイフ

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棚の前で

『天使のナイフ』講談社文庫の書影書影:版元ドットコム

天使のナイフ

  • ミステリ
  • 講談社文庫
  • 分量:ふつう

妻を殺したのは、十三歳の少年たちだった。四年後、そのうちの一人が殺され、夫が疑われる。第51回江戸川乱歩賞受賞作。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
講談社
判型
講談社文庫
刊行
2021年8月
ISBN
9784065237663

あらすじ

事件当時、桧山はテレビカメラの前で、犯人を自分の手で殺してやりたいという激しい言葉を口にしていた。そのせいで、真っ先に疑いの目を向けられる。自分の無実を証明するため、桧山は、少年たちがその後どう生きてきたのか、「更生」とは何なのかを調べ始めます。

読みどころ

少年法をめぐる問題を、被害者の側からも、加害者の側からも見つめた一冊。社会派でありながら、ミステリとしての仕掛けも最後まで緩まない。読み終えたあと、ニュースで少年事件を見る目が確実に変わります。

こんな人に

おすすめしたいのは。罪と罰、そして「償い」について考えさせる小説を読みたい人。

今回紹介したのは新装版です。同じ少年犯罪を扱う作品として、湊かなえの『告白』と読み比べてみてください。

向かないかもしれない人

妻を少年たちに殺された夫が主人公で、少年法や更生という重い題材が中心にある。家族を失う話がつらい人や、気軽な謎解きだけを楽しみたい人には負担が大きいかもしれない。

比べ読み

『ルパンの消息』横山秀夫

どちらも過去の事件を掘り起こすミステリ。「ルパンの消息」は時効まで残り24時間という期限が緊張を生み、青春小説としても読める。「天使のナイフ」は妻を殺した少年の一人が殺され、被害者の夫が疑われるところから少年法の問題へ踏み込む。テンポのいい謎解きなら「ルパン」、償いについて考えたい時はこちらを。

『孤狼の血』柚月裕子

「孤狼の血」は暴力団と癒着して見える刑事に新人がつく昭和末期の警察小説で、暴力の描写は強め。「天使のナイフ」は被害者の遺族が自ら少年たちのその後を調べる社会派。組織の中の正義を読みたいなら「孤狼の血」、被害者と加害者の両側から罪を見つめたいならこちら。五つの星は同じ並び。

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