棚の前で/ミステリの部/孤狼の血

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棚の前で

『孤狼の血』角川文庫の書影書影:版元ドットコム

孤狼の血

  • ミステリ
  • 角川文庫
  • 分量:厚い

暴力団と癒着しているとしか見えない刑事に、新人がつく。昭和末期の広島が舞台の警察小説。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
KADOKAWA
判型
角川文庫
刊行
2017年8月
ISBN
9784041049549

あらすじ

日岡には、大上の身辺を探るという別の任務も与えられています。暴力団同士の抗争が激しくなる中で、大上のやり方が何を守ってきたのかが少しずつ見えてくる。組織の論理と個人の判断が、何度も衝突します。

読みどころ

第69回日本推理作家協会賞を受けた作品です。正義の側にいるはずの人物が、最も汚れた手を使うという構図を、最後まで緩めずに書いています。暴力の描写は強めです。

こんな人に

おすすめしたいのは。警察小説やヤクザものを骨太に読みたい人。

映画版は2018年公開。続編に『凶犬の眼』があります。

向かないかもしれない人

暴力の描写が強めで、正義の側の人物が最も汚れた手を使う話です。流血や脅しの場面が苦手な人や、きれいな正義の物語を読みたい人には、ほかの警察小説のほうが合うでしょう。

比べ読み

『オリエント急行の殺人』Agatha Christie

『オリエント急行の殺人』は列車に閉じ込められた乗客への尋問で進む古典で、星の並びも共通しています。あちらは推理の運び方を追う楽しさが中心、こちらは組織の論理と個人の判断がぶつかる緊張が中心。骨太な警察ものを読む気力がある日はこちら、謎解きを落ち着いて追いたい日はポアロを。

『ザリガニの鳴くところ』Delia Owens

『ザリガニの鳴くところ』は湿地で見つかった死体から始まりますが、謎解きより一人の女性の生き方と自然の描写が前に出ます。昭和の終わりの広島を舞台に暴力団と刑事の駆け引きを追う『孤狼の血』とは温度がまるで違うので、荒々しい展開を求めるならこちら、静かな筆致を味わいたいなら湿地の話を。

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