あらすじ
国連事務総長のストルムグレンだけが、オーバーロードの総督カレルレンと対話することを許されています。なぜ姿を見せないのか、何のために地球へ来たのか。やがて五十年後、ついに彼らが姿を現す日がやってくる。物語は数世代にわたって進み、人類の運命は誰も予想しなかった方向へ動いていきます。
読みどころ
宇宙人の侵略ものだと思って読み始めると、最後にはまったく違う場所へ連れて行かれる。壮大すぎて、読み終えてしばらく空を見上げてしまうタイプの本です。新訳で文章がすっきりしており、古典SFに初めて触れる人にも読みやすい。
こんな人に
おすすめしたいのは。人類の未来について、とてつもなく大きなスケールで考えてみたい人。
同じ作者の『2001年宇宙の旅』とあわせて、SFの古典としてよく名前の挙がる作品です。
向かないかもしれない人
特定の主人公に寄り添って最後まで読みたい人には向かないかもしれない。話は数世代にわたって進み、実用の星は1つなので知識を得る目的にも合わない。
比べ読み
『星を継ぐもの〔新版〕』James P. Hogan
どちらも人類そのものへの見方を揺さぶる古典寄りのSFで、星の並びも同じ。『星を継ぐもの』は月面の死体をめぐって科学者が仮説をぶつけ合う推理劇、こちらは姿を見せない異星人と数世代の人類を追う年代記。謎解きの手応えから入るなら『星を継ぐもの』を先に、スケールに身を任せたい夜はこちらを。
『ハーモニー〔新版〕』伊藤計劃
同じく人類の行き先を扱うが、『ハーモニー』は病気の消えた優しい管理社会を少女たちの側から書き、息苦しさが身近な距離にある。こちらは都市の上空に浮かぶ宇宙船から始まり、視点は惑星規模まで引いていく。いまの社会の窮屈さを考えたい時は『ハーモニー』、遠くまで連れ出されたい時はこちらから。








