棚の前で/人生の部/あすなろ物語

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棚の前で

『あすなろ物語』新潮文庫の書影書影:版元ドットコム

あすなろ物語

  • 人生
  • 新潮文庫
  • 分量:ふつう

明日は檜になろうと思いながら、ついに檜になれない木。その名を借りた六章の物語。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
新潮社
判型
新潮文庫
刊行
2002年2月
ISBN
9784101063058

あらすじ

伊豆での少年時代、旧制中学、戦時下の新聞社勤め。時代の変化とともに、周囲の人々の生き方も変わっていきます。自伝的な要素が強い作品です。

読みどころ

1953年の作品です。努力しても届かないという感覚を、題名そのものに置いた一冊で、世代を超えて読まれ続けています。

こんな人に

おすすめしたいのは。自分の来し方を振り返りたい人。

同じ作者の『しろばんば』も少年期を描いた長編です。

向かないかもしれない人

大きな事件や謎解きで引っ張る作りではなく、少年期から大人になるまでの歩みを章ごとにたどります。展開の速い話や、明快な成功談を求める人には静かすぎるかもしれません。

比べ読み

『小さいおうち』中島京子

戦前から戦時下の暮らしを背景に、一人の人生を振り返る点で並ぶ二冊です。『あすなろ物語』は少年時代から新聞社勤めまでを六章で追う自伝色の強い作品。『小さいおうち』は女中が晩年に書き残す形で、書かなかったことが中心にある。語りの仕掛けも楽しみたいなら小さいおうちを。

『さぶ』山本周五郎

努力しても届かない側の人間に目を向ける点が通じています。『さぶ』は報われない誠実さを脇の人物に置いた時代小説、こちらは届かない感覚を題名そのものに込めた自伝的な六章。江戸の人情ものに浸りたい日はさぶ、近代の少年が大人になる道筋をたどりたい日はあすなろ物語を。

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