あらすじ
私に10歳の息子がいて、ひとりで留守番していると知ると、博士は学校のあとはここへ来させなさいと言います。博士は息子の頭のてっぺんが平らなのを見て、どんな数でも中に入れてかくまう記号から「ルート」と呼ぶ。博士とルートは阪神タイガースのファンで、博士がひいきにしているのは、事故の頃に阪神で投げていた江夏豊です。三人の毎日が、少しずつ形になっていきます。
読みどころ
2004年に読売文学賞と、この年に始まった本屋大賞の第1回を受けました。私の誕生日の220と、博士の腕時計に刻まれた284は、互いの約数を足すと相手の数になる「友愛数」。江夏の背番号28は、約数を足すと自分になる「完全数」。数式の話が、そのまま人と人の距離の話として読める。数学が苦手でも置いていかれません。2006年に寺尾聰の主演で映画になりました。
こんな人に
おすすめしたいのは。数学は苦手だったけれど、きれいな答えが出た瞬間は好きだった人。
同じ作者の『猫を抱いて象と泳ぐ』は、チェスに一生をささげる少年の話です。ひとつのことに打ちこむ人の静けさが、こちらとよく似ています。










