あらすじ
収録作は同じ世界を共有しつつ、独立して読めます。情報と言葉が現実を侵食する設定で、描写は視覚的かつ過剰。読む速度は自然に落ちます。
読みどころ
第38回日本SF大賞の受賞作。文章の密度そのものが作品の価値になっている点で、この作者の特徴がよく出ています。
こんな人に
おすすめしたいのは。文章を味わうタイプのSFが好きな人。
同じ作者の『グラン・ヴァカンス』も文庫で読めます。
向かないかもしれない人
読みやすさは星2で、描写は視覚的かつ過剰、読む速度が自然に落ちる密度の文章。筋をテンポよく追いたい人や、設定の説明を手早く知りたい人には負担が大きい。
比べ読み
『なめらかな世界と、その敵』伴名練
どちらも国内SFの短編集。「なめらかな世界と、その敵」は一編ごとに文体や語りの形式を変え、SFに不慣れな人の入口にもなる。読みやすさは星一つ上。「自生の夢」は言葉が人を殺す同じ世界を共有した作品が並び、視覚的で過剰な描写を噛みしめる種類。先に「なめらか」で慣れ、濃い文章に向き合える日にこちらを。
『虐殺器官〔新版〕』伊藤計劃
「虐殺器官」は世界で虐殺が増える裏にいる一人のアメリカ人を追う長編で、SFのアイデアと戦争小説の緊張感が両立する。「自生の夢」は言葉そのものが人を殺す世界を、密度の高い文章の短編で見せる。筋の推進力を求めるなら「虐殺器官」、文章の手触りを味わいたいならこちら。読みやすさは「虐殺器官」が星一つ上。










