あらすじ
三上は、傷害致死の罪で服役し、仮釈放されたばかり。南郷は、なぜ彼を相棒に選んだのか。二人は、房総半島の町で起きた老夫婦殺害事件の現場を歩き、「階段」の手がかりを探します。調べを進めるほど、死刑を執行する側、被害者の遺族、罪を犯した者の家族、それぞれの苦しみが浮き彫りになっていきます。
読みどころ
刑務官が死刑の執行にどう関わるのか、普段まず知ることのない手順が具体的に書かれていて、それだけでも読む価値があります。謎解きとしても最後まで二転三転し、ページをめくる手が止まらない。重いテーマを扱いながら、エンターテインメントとして読ませる力が強い作品です。
こんな人に
おすすめしたいのは。死刑制度について、一度きちんと考えてみたい人。
2025年に出た新装版です。同じ作者の『ジェノサイド』は、スケールの大きな冒険小説です。
向かないかもしれない人
死刑囚の冤罪、老夫婦の殺害事件、遺族や罪を犯した者の家族の苦しみと、重い題材が続きます。死刑というテーマを謎解きの形で読むことにためらいがある人には、合わない場面が出てきます。
比べ読み
『検事の本懐』柚月裕子
どちらも司法の現場を舞台にしますが、立ち位置が違います。『検事の本懐』は裁く側に立つ検事が筋を通していく職業小説、『13階段』は仮釈放されたばかりの三上と彼を相棒に選んだ南郷が、死刑囚の冤罪を期限つきで追う話。法の仕組みを人物から知りたいなら柚月作品、死刑の手順と期限の緊張まで味わうならこちらを。
『火車』宮部みゆき
社会の仕組みを謎の芯に据えた二冊です。『火車』は行方をくらませた婚約者をたどるうち、カードローンと多重債務の怖さが浮かぶ厚めの話。『13階段』は刑の執行という期限が緊張を生み、謎も最後まで二転三転します。お金の失敗の怖さに関心があるなら宮部作品、死刑制度を考える入口がほしいならこちらから。











