棚の前で/ミステリの部/13階段

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棚の前で

『13階段』講談社文庫の書影書影:版元ドットコム

13階段

  • ミステリ
  • 講談社文庫
  • 分量:ふつう

死刑囚の冤罪を晴らせば、多額の報酬が入る。期限は、刑が執行されるまで。第47回江戸川乱歩賞受賞作。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
講談社
判型
講談社文庫
刊行
2025年11月
ISBN
9784065412282

あらすじ

三上は、傷害致死の罪で服役し、仮釈放されたばかり。南郷は、なぜ彼を相棒に選んだのか。二人は、房総半島の町で起きた老夫婦殺害事件の現場を歩き、「階段」の手がかりを探します。調べを進めるほど、死刑を執行する側、被害者の遺族、罪を犯した者の家族、それぞれの苦しみが浮き彫りになっていきます。

読みどころ

刑務官が死刑の執行にどう関わるのか、普段まず知ることのない手順が具体的に書かれていて、それだけでも読む価値があります。謎解きとしても最後まで二転三転し、ページをめくる手が止まらない。重いテーマを扱いながら、エンターテインメントとして読ませる力が強い作品です。

こんな人に

おすすめしたいのは。死刑制度について、一度きちんと考えてみたい人。

2025年に出た新装版です。同じ作者の『ジェノサイド』は、スケールの大きな冒険小説です。

向かないかもしれない人

死刑囚の冤罪、老夫婦の殺害事件、遺族や罪を犯した者の家族の苦しみと、重い題材が続きます。死刑というテーマを謎解きの形で読むことにためらいがある人には、合わない場面が出てきます。

比べ読み

『検事の本懐』柚月裕子

どちらも司法の現場を舞台にしますが、立ち位置が違います。『検事の本懐』は裁く側に立つ検事が筋を通していく職業小説、『13階段』は仮釈放されたばかりの三上と彼を相棒に選んだ南郷が、死刑囚の冤罪を期限つきで追う話。法の仕組みを人物から知りたいなら柚月作品、死刑の手順と期限の緊張まで味わうならこちらを。

『火車』宮部みゆき

社会の仕組みを謎の芯に据えた二冊です。『火車』は行方をくらませた婚約者をたどるうち、カードローンと多重債務の怖さが浮かぶ厚めの話。『13階段』は刑の執行という期限が緊張を生み、謎も最後まで二転三転します。お金の失敗の怖さに関心があるなら宮部作品、死刑制度を考える入口がほしいならこちらから。

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