あらすじ
収録は五編。時系列は前後し、佐方の弁護士時代や、彼の父にまつわる事件も扱われます。取り調べや証拠の扱い、組織内の力関係が具体的に書かれています。
読みどころ
第15回大藪春彦賞を受けています。職業小説としての手触りが強いぶん、法廷ものに馴染みのない人にも入りやすい一冊です。
こんな人に
おすすめしたいのは。検察や司法を扱った物語が読みたい人。
シリーズは『最後の証人』から始まります。
向かないかもしれない人
五編は時系列が前後し父の事件も挟まるので、順を追って読みたい人は戸惑うかもしれません。シリーズは『最後の証人』から始まるので、人物の背景を最初から知りたい人にも不向きです。
比べ読み
『13階段』高野和明
司法の手順を具体的に書く点で近い二冊です。『13階段』は死刑の執行までという期限つきで冤罪を追う話で、謎解きが二転三転します。『検事の本懐』は佐方貞人を軸にした五編で、取り調べや組織内の力関係が中心。一本の長い緊張を味わうなら高野作品、短く区切って人物を追うなら柚月作品を。
『火車』宮部みゆき
職業や制度の仕組みを物語に組み込む点で並びます。『火車』は消えた婚約者を追ううちにカードローンや多重債務の怖さが見えてくる話、『検事の本懐』は検事の筋の通し方を五つの話で見せる作りです。お金の問題に関心があるなら宮部作品、法の現場を知りたいならこちらを先に。










