棚の前で/ホラーの部/近畿地方のある場所について

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棚の前で

『近畿地方のある場所について』角川文庫の書影書影:版元ドットコム

近畿地方のある場所について

  • ホラー
  • 角川文庫
  • 分量:ふつう

雑誌の記事、ネットの書き込み、インタビューの書き起こし。集められた資料はすべて、近畿地方のある場所を指していた。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
KADOKAWA
判型
角川文庫
刊行
2025年7月
ISBN
9784041026557

あらすじ

本の大部分を占めるのは、小説の地の文ではなく「資料」です。少女の失踪事件、団地での出来事、山中の奇妙な建物。一見関係のなさそうな話に、同じ地名や同じ言葉が何度も顔を出す。それが何を意味するのか、読者自身が推理しながら読み進めることになります。

読みどころ

ウェブ小説として発表され、話題になって本になった作品です。「本当にあったことかもしれない」と思わせる資料の生々しさが、この本の一番の怖さ。資料の中に何度も出てくる地名や言葉を覚えておくと、後半の読み心地が大きく変わります。

こんな人に

おすすめしたいのは。ネットの怖い話や、考察しながら読むホラーが好きな人。

2025年に映画化されました。本と映画で見せ方が違うので、両方楽しめます。

向かないかもしれない人

地の文で筋を運ぶ小説ではなく、断片の資料を読み合わせる本です。おすすめ度は星3で、語り手について行けば話がまとまる作りを好む人や、考察を面倒に思う人には負担が大きく感じられます。

比べ読み

『どこの家にも怖いものはいる』三津田信三

資料を並べるだけで怖さを生む形式の点で、近い組み合わせです。『どこの家にも怖いものはいる』は五つの記録がすべて家にまつわるもので、数が少なく見通しがよい。こちらは雑誌記事や書き込み、書き起こしなど断片が多く、何度も出る地名や言葉を自分でつなぐ手間がかかります。形式に慣れたい人は三津田作品を先に。

『深泥丘奇談』綾辻行人

どちらも現実と地続きの怖さですが、入口が違います。『深泥丘奇談』は京都の作家の身に起きる小さなずれを連作で重ね、自分の記憶を疑わせる型。こちらは失踪事件や団地の出来事などの資料を読み比べ、共通点を推理しながら進む型です。語りに身を任せたいなら綾辻作品、考察しながら読みたいならこちらを。

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