あらすじ
本文は、その五つの記録をそのまま読ませる形で進みます。合間に作家と編集者の会話が入り、読者と同じ疑問が口にされる。時代も文体も違うので、読み口が一編ごとに変わります。
読みどころ
記録を並べるだけで怖さが生まれるという、この作者の得意な形式です。刀城言耶シリーズのような民俗色は薄く、現代の読者に近い場所から怖がらせてきます。
こんな人に
おすすめしたいのは。実話怪談に近い形式のホラーが好きな人。
続編に『わざと忌み家を建てて棲む』があります。
向かないかもしれない人
一編ごとに時代も文体も変わるため、一つの文体で通して読みたい人には落ち着かないでしょう。民俗色の濃い怪談を期待する人にも向きません。
比べ読み
『残穢』小野不由美
記録や調査をたどるうちに怖さが積み上がる点で、二冊は近い形をしています。『残穢』は一つの部屋で聞こえる音を手がかりに土地の来歴を何十年も前まで調べる話、『どこの家にも怖いものはいる』は書き手も時代も違う五つの記録を並べる作りです。一本の線を追うなら小野作品、文体の変化も楽しむなら三津田作品を。
『近畿地方のある場所について』背筋
雑誌記事やネットの書き込みを集めた『近畿地方のある場所について』と、家にまつわる記録を並べたこの本は、資料の形で怖がらせる同じ系統です。背筋作品は考察しながら読む楽しみが強く、三津田作品は作家と編集者の会話が読者の疑問を代弁します。ネット発の生々しさを求めるなら背筋作品から。














