棚の前で/ホラーの部/深泥丘奇談

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棚の前で

『深泥丘奇談』角川文庫の書影書影:版元ドットコム

深泥丘奇談

  • ホラー
  • 角川文庫
  • 分量:ふつう

京都に住む作家が体験する、少しずつずれた出来事。現実と地続きのまま歪んでいく連作。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
KADOKAWA
判型
角川文庫
刊行
2014年6月
ISBN
9784041014745

あらすじ

一編ごとに独立した怪異が描かれますが、同じ土地と人物が繰り返し出てきます。読み進めるうちに、語り手の住む京都が現実の京都とどこか違うらしいと分かってくる。地名や坂の名前が効果的に使われています。

読みどころ

自分の記憶のほうが間違っているのではないかと疑わせるタイプの怪談です。館シリーズとは作風がまったく違うので、別の作家の本として読んだほうが楽しめます。

こんな人に

おすすめしたいのは。日常が少しずつ狂っていく話が好きな人。

続編に『深泥丘奇談・続』があります。館シリーズは『十角館の殺人』から。

向かないかもしれない人

一編ごとの怪異にはっきりした説明はつかず、現実がずれていく感覚が中心。館シリーズのような謎解きの決着や、派手な怪物の怖さを求める人には肩透かしになりうる。

比べ読み

『残穢』小野不由美

どちらも住まいや見慣れた町がじわりと歪む怪談。『残穢』は部屋の過去を調べて土地の記憶を何十年もさかのぼり、本作は語り手の記憶そのものを疑わせる。調査の手順を追って怖がりたいなら残穢、日常のずれに足元をすくわれたい時は本作を。

『恐怖小説 キリカ』澤村伊智

作家が語り手という点で重なる。『恐怖小説 キリカ』は著者と同じ名を持つ作家が自分に起きたことを書き、作り話という言い方そのものを疑わせる。本作は京都の地名や坂を使って現実の町とのずれを作る。仕掛けの驚きならキリカ、じわじわ来る違和感なら本作。

stock

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