棚の前で/ホラーの部/九月が永遠に続けば

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棚の前で

『九月が永遠に続けば』新潮文庫の書影書影:版元ドットコム

九月が永遠に続けば

  • ホラー
  • 新潮文庫
  • 分量:ふつう

ゴミを出しに行った息子が、そのまま帰ってこない。母親の周りにいた人が、次々に姿を消していく。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
新潮社
判型
新潮文庫
刊行
2008年2月
ISBN
9784101338514

あらすじ

語り手の佐知子は、自分の感情を正確に説明できません。息子への思い、元夫への未練、若い恋人との関係。どれも割り切れないまま並行して描かれ、事件の輪郭が見えてくるのは終盤です。

読みどころ

著者のデビュー作で、ホラーサスペンス大賞を受けています。怪異ではなく人間の情念が恐ろしいタイプで、読み進めるほど気分が重くなる種類の本です。

こんな人に

おすすめしたいのは。後味の重い心理サスペンスを読みたい人。

同じ作者の『ユリゴコロ』が代表作として知られています。

向かないかもしれない人

語り手の佐知子は胸の内を言葉にするのが苦手で、事件の形が見えてくるのも終盤です。早めに謎の輪郭をつかみたい人や、気分が沈む話を避けたい時期の人には進みの遅さがこたえます。

比べ読み

『十三番目の人格 ISOLA』貴志祐介

どちらも著者のデビュー作で、恐ろしさを人の心の側に置いています。『十三番目の人格』は心を読める女性と多重人格の少女の話で、専門知識を重ねてから土台を崩しにくる運び。こちらは息子の失踪を境に、母親の割り切れない感情が並んで進みます。理屈の積み上げなら貴志作品、情念の濃さなら沼田作品から。

『異端の祝祭』芦花公園

身近な弱みから日常が崩れていく、星の並びもそろった二冊です。『異端の祝祭』は就職に悩む青年が怪しい集団に近づく現代的な入口。『九月が永遠に続けば』に怪異はなく、息子が帰らない朝を境に母親の周りから人が消えていきます。新しい書き手の感覚なら芦花公園、人間の情念ならこちら。

stock

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