あらすじ
前半は地味な調査が続き、後半で一気に大阪の街全体を巻き込む展開になります。父と子の関係が繰り返し描かれ、秘密が代々受け継がれてきた理由が終盤で示されます。
読みどころ
大阪という土地の自意識を、壮大な法螺話に仕立てた一作です。映像化もされましたが、原作の細かい積み上げは文章のほうが効きます。
こんな人に
おすすめしたいのは。土地を主役にした物語が好きな人。
同じ作者の『鴨川ホルモー』『鹿男あをによし』も同じ系統です。
向かないかもしれない人
前半は会計検査院の地味な調査が続き、大きく動くのは後半から。序盤から話が転がる娯楽作を期待する人や、大阪という土地への関心が薄い人には助走が長く感じられそうだ。
比べ読み
『図書館戦争』有川浩
どちらも現実の日本に大きな嘘を一つ置いた娯楽作。『図書館戦争』は検閲と戦う武装図書館を舞台に銃撃戦とラブコメを同じ本に収め、読みやすさは星5つ。プリンセス・トヨトミは前半の地味な調査を経て大阪全体へ話が広がる。テンポ重視なら図書館戦争、細かい積み上げを味わうならこちらを。
『天地明察』冲方丁
『天地明察』は実在の人物が日本の暦を改める役目を負う話で、史実に支えられた大きさがあります。プリンセス・トヨトミは四百年続く秘密の国という法螺話を、会計検査院の調査から組み上げる。本当にあった歴史に触れたい気分なら天地明察、土地の自意識を笑いたいならこちら。











