棚の前で/ホラーの部/漆黒の慕情

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棚の前で

『漆黒の慕情』角川ホラー文庫の書影書影:版元ドットコム

漆黒の慕情

  • ホラー
  • 角川ホラー文庫
  • 分量:ふつう

人を思う気持ちが、形を変えて相手を壊していく。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
KADOKAWA
判型
角川ホラー文庫
刊行
2022年2月
ISBN
9784041119853

あらすじ

前作と同じく、霊能者の佐々木が関わる。現代の生活の描写は細かく、SNSや職場の人間関係が物語の土台になる。残酷な場面もあります。

読みどころ

怖さの出どころが、人の感情の側にあるという作風が一貫しています。ネット発の書き手による、現代的な題材のホラーです。

こんな人に

おすすめしたいのは。現代を舞台にしたホラーを読みたい人。

同じ作者の『異端の祝祭』が先に出た長編です。

向かないかもしれない人

残酷な場面を含み、再読性は星3つ。人の好意が相手を壊していく話なので、恋愛や人間関係の悩みを抱えている時期には、気持ちが沈む方向に働くかもしれない。

比べ読み

『うるはしみにくし あなたのともだち』澤村伊智

怖さの源を人の側に置く点で、二冊は近い場所にいます。『うるはしみにくし』は美しくなりたい願いに怪異がつけ込む話で、比嘉姉妹シリーズの一作。漆黒の慕情は人を思う気持ちが形を変えて相手を壊していく。容姿の悩みに寄せた怖さならあちら、恋慕や執着の怖さならこちらを選ぶといい。

『九月が永遠に続けば』沼田まほかる

『九月が永遠に続けば』は怖さの源が怪異でなく人の情念にある作品で、ページを追うごとに気持ちが沈んでいくとされる。漆黒の慕情は霊能者の佐々木が関わり、SNSや職場など現代の生活の細部が土台にあります。純粋に人間の暗さを読みたい日は九月、怪異も含めた現代ホラーを求めるなら本作を。

stock

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