棚の前で/ティファニーで朝食を

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棚の前で

『ティファニーで朝食を』新潮文庫の書影書影:版元ドットコム

ティファニーで朝食を

  • 文学
  • 新潮文庫
  • 分量:軽い

戦時中のニューヨーク。同じアパートに住む奔放な女性ホリー・ゴライトリーを、作家志望の青年が回想する。村上春樹訳。

おすすめ度
★★★★★
読みやすさ
★★★★★
物語性
★★★★★
実用度
★★★★★
再読性
★★★★★

おすすめ度は、棚の前でが「まず一冊」としてどのくらい強く勧めるかを示す数字です。物語性・再読性・読みやすさと分量から決めています。

版元
新潮社
判型
新潮文庫
刊行
2008年12月
ISBN
9784102095089

あらすじ

ホリーは、嫌なことがあった日には、宝石店のティファニーへ行くと気分が落ち着くと言います。過去を語りたがらない彼女の周りには、ハリウッドのエージェント、刑務所にいるマフィアのボス、南米の外交官といった男たちが出入りしている。やがて、ホリーの意外な過去を知る人物が現れます。

読みどころ

オードリー・ヘプバーン主演の映画を知っている人は、原作のホリーのほうがずっと危うく、したたかなことに驚くはずです。村上春樹の訳は軽やかで、会話のテンポが心地いい。表題作のほか、短編が三篇収められています。

こんな人に

おすすめしたいのは。自由に生きることに憧れつつ、その寂しさも知っている人。

1961年の映画とは結末がかなり違います。読み比べると、原作の苦さがよく分かります。

向かないかもしれない人

物語性は星3で、大きな事件を追うより人物の危うさを眺める本です。映画の華やかな印象のままで入ると、原作の苦さに戸惑う人もいます。筋の起伏を求める人には淡く映ります。

比べ読み

『月と六ペンス』W. Somerset Maugham

型にはまらない人物を語り手が見つめる形が重なります。『月と六ペンス』は妻子を捨てて絵に向かった男の話で、皮肉の効いた語りが持ち味。ホリーは戦時中のニューヨークで、過去を明かさないまま男たちに囲まれて暮らす女性です。分量が軽いのはこちらなので、カポーティで肩慣らしをしてからモームへ。

『異邦人』Albert Camus

星の並びがほぼ同じ、薄い海外文学の二冊です。『異邦人』は世間の決まりごとから外れた男がどう扱われるかを、平易な文で追う話。『ティファニーで朝食を』は奔放な女性を回想する形で、村上春樹訳の軽い会話が入口になります。読みやすさはこちらが星1つ上なので、ホリーを先にしてカミュへ進むと無理がありません。

stock

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